【開催レポート】彌彦神社と枝豆畑をめぐる神道体験ツアー

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弥彦の恵みを五感で味わう。彌彦神社と枝豆畑を巡る神道体験ツアー レポート

ツアー概要

この夏、新潟・弥彦村で、越後に農業を広めた神様を祀る「彌彦神社」と、夏の旬である枝豆をテーマにした特別ツアーを開催しました。

彌彦神社は越後国一宮として古くから信仰を集める神社で、農耕文化と深い結びつきを持っています。今回のツアーでは、神話と歴史に触れる神社散策と旬の枝豆を自ら収穫して味わう体験を組み合わせ、土地の恵みを全身で感じる時間を提供しました。参加者と一緒に巡った、神様と農業と食の物語をお届けします。

開催日時:2025年7月26日(土)13:00〜17:00
企画:株式会社LAMBDA・JAPAN、協力:伊彌彦グループ・弥彦観光協会


彌彦神社──神様が鎮まる場所

越後一宮・彌彦神社で歴史と信仰を学ぶ

ツアーの最初の目的地は、越後一宮・彌彦神社。
御祭神・天香山命(あめのかごやまのみこと)は、漁や製塩、酒造り、そして農業を越後にもたらしたと伝わる神様です。
そのため、新潟に稲作を広めたのは彌彦の神さま「おやひこさま」として崇められてきました。

今回彌彦神社をご案内いただいたのは、弥彦観光協会のウォーリンさん。お話によると、現在の社殿は明治期の火災を経て大正時代に再建されたもの。まずは一の鳥居をくぐり、御手洗川(みたらしがわ)へ。境内に流れる清流で、古来から参拝者が手や口を清めてから神様に向かうための場所。今も「清め」の伝統が息づいています。

続く参道は杉の大木に囲まれ、歩くだけで空気が変わるのを感じます。

農作物の豊凶を占う「火焚神事・粥占い」

毎年1月15日、彌彦神社では火焚神事(ひたきしんじ)・粥占いが行われます。

これは稲作を始め農業・漁業の技術を御授けになられた御力により、年間の天候と農作物の作柄・海川の産物の豊凶を占う神事です。前日に準備したおかゆを火にかけ、その燃え方やおかゆの状態を神職が読み解くことで、1年の稲作や農作物の出来を占います。「今年は大豆が1割増」というような具体的な結果が出るため、地域の農家にとって重要な指標のひとつになっています。この神事は農業と神様の関係が強く結びついていることを示す典型であり、“農の聖地”としての弥彦を象徴しています。

境内では、奉納相撲が行われる相撲場や、参拝前に身を清める手水舎、長い年月を生き抜いてきた御神木、そして数々の摂社・末社を巡り、最後は荘厳な拝殿へと進みます。参拝前に、弥彦神社ならではの作法「二礼四拍手一礼」でみんなで参拝。清々しい気持ちで神前を後にし、枝豆畑へと向かいました。


夏の旬・枝豆をその場で堪能

弥彦山の恵みが育む、甘くて旨い枝豆

夏の日差しを浴びて一面に広がる枝豆畑で、いよいよ収穫開始です。

軍手をはめ、枝を引き抜くと、ずっしりとした重さと青々とした香りが手に伝わります。「思ったより力がいる!」「自分で収穫するのは初めて」といった声も聞かれ、土に触れる体験ならではの感動が広がりました。弥彦を見守る弥彦山が生み出す寒暖差こそ、枝豆をおいしく育てる大切な条件の一つです。枝豆が実り始める頃、日中はたっぷりと太陽の光を浴びて暖かく、夜は弥彦山の影で早く冷え込む──この地理的特徴が、枝豆に甘味と旨味をしっかりと蓄えさせます。

畑の香りとともに味わう、茹でたて枝豆

収穫した枝豆は、まず枝についた葉を一つひとつ丁寧に取り除きます。水洗いした枝付きのまま、大きな釜に入れてシンプルに茹で上げると、豆本来の香りと旨味が一層引き立ちます。

茹でている間、畑の空気に混じって立ち上る香ばしい香りに、参加者の期待も最高潮に。できたての枝豆を口にすると、ふっくらとした食感と自然な甘みが広がり、「おいしい!」「塩だけでこんなに違うんだ」と感動の声が続々。中には「これまで食べた枝豆の中で一番おいしい」という感想もありました。

竹野さんからは、農業への想いや枝豆づくりへのこだわりについてもお話いただき、食べ物の背景にある人と土地の物語に触れられる時間となりました。

土地の歴史・文化・食をつなぐ体験

最後は彌彦神社の一の鳥居に戻り、ツアーは終了となりました。
「弥彦神社にはよく行きますがより詳しく知ることができた」「農業のありがたみを知れてとても勉強になった」などの感想が寄せられました。半日という短い時間ながら、土地の歴史・文化・食をつなぐ体験となりました。

今回のツアーは、観光だけでは見えない弥彦の物語を体験するものでした。LAMBDA・JAPANでは今後も、神道をテーマに、地域の文化や食と結びついた体験ツアーを展開していきます。参加してくださった皆さま、本当にありがとうございました。

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